2024/10/14 機械メーカ
ニデックによるカナダ プレス機周辺装置メーカーLinear Transfer Automation Inc.他2社の 株式取得に関する譲渡契約締結のお知らせ
24年10月、カナダにある「リニアトランスファーオートメーション」というプレス機の周辺装置メーカを買収する事を発表しました。プレスの前後装置ということなのでユタにや旧オリイメックのようなフィーダーメーカなのかなと思いましたが、Webサイトを見る限り、そうではなくプレス機へのローダ/アンローダ装置などを手広く製造する専用機メーカのようです。当然ながらプレス機メーカであるニデックドライブテクノロジー(旧日本電産シンポ)の販売強化を目的にしているようです。前回のPAMAに続き、買収先は企業だけではなく、世界中の安くて良いメーカを調査しているようですね。私はプレスの事は詳しくありませんが、周辺装置メーカで従業員90名、売上44億円という事なので、中堅以上のポジションなのでしょう。プレス加工は大きな拡大は無いにしても、絶対になくならないし、最近はサーボ技術が飛躍的に向上、普及しており、ニデックとしても今後の重要なセグメントとして位置付けているのでしょう。また、プレス機単体としての提案ではなく、自動化も含めたソリューション提案が今後の成長の条件だと考えているのでしょう。このへんはDMG森精機の動きと相通じるものがありますね
けどやっぱり個人的には、プレスよりも工作機械の方を進めて欲しいですよね。今、日本の工作機械業界はニデックの一挙手一投足に注目しています。関係者は「うちが狙われるのか?」とドキドキザワザワし、部外者は「次は何をやってくれるんだ?」とワクワクしています。最近では、中国の新工場を完成させて、主に歯車加工機を製造するそうです。
また、50億円を投資して世界4ケ所にテクニカルセンターを設立するそうです。
工作機械の総合展示場「テクニカルセンター」の設立決定について
25年11月お披露目予定なので、約1年先ですね。場所は滋賀県のニデックマシンツール工場(旧三菱重工工作機械)に隣接するようです。やはり、ニデックの工作機械事業の中心は、OKKやTAKISAWAではなくあくまでマシンツールのようですね。旧OKKの人材や機械モデルは生き残れるのか心配です。既に伊丹本社の一部の建物は解体されているようですし。。。
現在は工作機械市場が全体的に冷え込んでいますが、ニデックとしては引き続き投資を続けていくようです。ぜひともこの閉鎖的な業界に大きな風穴を空けて欲しいものです。純粋に楽しみです。そして、最大の関心ごとは次なる買収先ですね。マシンツールとOKKの既存モデルでマシニング系はほぼ網羅してますし、TAKISAWAも幅広い旋盤のラインナップを持っています。やはり次は研磨機か放電加工機でしょう。となるとある程度規模がちょうどいい会社といえば、岡本工作機械、ナガセ、ソディック、西部電機あたりでしょうか。三菱電機やアマダの事業部を引き受ける、という可能性だってあります。ここ数年常に話題を提供してくれたニデックグループ、永守会長の次なる一手に大注目です!
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