興味深いニュースが舞い込んできました。DMG森精機が、宮脇機械プラントを完全子会社化するそうです。
DMG森精機:宮脇機械プラント株式会社の株式取得及び簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ
DMG森精機は言わずと知れた世界一の工作機械メーカです。売上は5000億円以上、従業員数1万人以上の立派な大会社です。
(私も詳しくありませんが)宮脇機械プラントは兵庫県明石市にある老舗(昭和41年設立)の工作機械商社です。Webサイトによると従業員数30名なので、工作機械商社としては、小さくもなく大きくもなく、という感じでしょうか。主に兵庫県を中心に地域密着型で営業されてきたのではないかと推測します。主要取引先を見ても、グローリー、三菱重工、三相電機など、兵庫県の名だたる製造業の企業が並んでいます。取り扱いメーカには、日本の主な機械メーカの名前があるので、これまで森精機ばかり販売していたのかどうかは読み取れません。「営業力のある機械屋さん」という印象ですが、もう一つ特色があります。割と昔から自動化設備事業に力を入れており、ロボットのショールームも所有しているそうです。
宮脇機械プラントの財務状況はどのような状況だったかは分かりません。ただ、直近の決算でも自己資本比率6割以上、売上55億円、純利益147百万円なので、この規模の商社としては立派な数字に思えます。
宮脇さんのHPには、「新しいビジネスモデル」を持つ機械プロデュース専門商社に進化するため、と書かれています。よく分かりません。また、両社の発表文に、森精機以外のメーカ商品も販売する、とも書かれています。けど、あの森精機がそんなことを果たして許すでしょうか?特にオークマやマザックなど、森精機と分野が重複するメーカの製品は、常識的に考えても販売できなくなるでしょう。工作機械業界で森精機にない製品群は、放電加工機、研削盤、プレス、板金機械くらいでしょうか。これまでお客様のニーズに合致するメーカ、製品を選択して提案してきた優秀な営業マンにとっては動きづらくなるでしょうね。(宮脇さんのHPには代表者は岡本様となってますが、今回の森精機のお知らせには中村様、となってますね。最近社長交代したのでしょうか)
森精機のような大きなグループに入る事での財政面での安心感は当然あるでしょうし、自社の自動化技術を全国、全世界に売り込むという魅力があったのかもしれません。
一方で森精機のお知らせには、こう書かれています。森精機が進めるMX(マシニングトランスフォーメーション)を実現するためには、優秀なアプリケーションエンジニア、メンテナンス、リペア、オーバーホールエンジニアが必要で、宮脇さんにはそれがある、との事です。
営業力というよりも、エンジニア力、という表現をしているのが少々気になりますね。けど実際は宮脇さんがもつ、兵庫県での顧客層と営業力を、そっくり頂きたかったのではないのかなと想像します。もしくは森精機が機械を拡販していきたいユーザとのコネクションが欲しかった、とか。
機械メーカが機械商社を吸収する、というパターンは昔はあったのかもしれませんが、私の知る限り、ここ数年は無かったと思います。大手機械メーカは海外比率が6—7割であり、国内の販売網を拡大している印象はありません。森精機はその代表格で、日本国内の比率は1割強です。しかも、国内でも直販比率をあげており、むしろ商社と離れていっている事で有名でした。そんな森精機が機械商社を買収とは、、、いやそんな森精機だからこそ、商社がもつノウハウ、経験、顧客とのコネクションをM&Aによって入手して、自社の直販に生かそうとしているのでしょう。もしかしたら今後、全国各地で商社を吸収していく計画するありえます。
ニデックや森精機による機械メーカの再編に、商社も巻き込まれていきます。個人的には業界活性化のためには良い事だと思います。メーカも商社も、昔からのやり方で生き残れる時代ではなく、常に変化と自己成長を続ける会社だけが強くなっていきます。