やっぱり業界の覇者?DMG森精機

2024/05/10 機械メーカ

なんだかんだで好調な森精機グループ

23年12月期 森精機の業績ハイライト

言わずと知れた世界一の金属加工機メーカ、DMG森精機。23年12月期もきっちり操縦増益のようです。一番驚いたのが1台あたりの単価が6000万円を超えていること!一般的なマシニングセンターや旋盤を中心に販売していてはありえない数字ですよね。同社が以前から注力している5軸加工機、大型加工機、レーザや3Dプリンターなどの付加価値モデルがここにきて順調に売上を伸ばしているのでしょう。やっぱ、すごいですよね、、、日本の小規模な加工業のユーザに行ってもまだまだ3軸マシニングが主流ですが、世界的に見ると違うということですよね。そして、国内であっても本当に力があるユーザは、1億円以上するような大型の横型5軸なんかをバンバン購入しているのでしょう。

そしてこれは今更驚くことでもありませんが、その海外比率の高さ。日本はたったの11%。工作機械の業界自体が海外比率が高く、7割が海外ですが、その中でもこの会社は圧倒的に高いですよね。完全にグローバル企業です。主な生産工場は日本(奈良とか三重)ですが、マーケットとしては日本なんかただの1割、北米の半分です。そりゃ重視する理由が無いですよね。さらに昨今の円安によって、おそらく海外で売れるのは当然でしょう。

これだけ見ると、業界のカリスマである森社長の戦略がことごとく的中しているようです。日本の工作機械業界で働いている関係者、特に販売店の人たちからすると、最近の森精機の直販志向はあからさまで、複雑な気持ちでしょう。以前は海外は直販でも、日本国内はそれでも以前からお世話になっている販売店への配慮を感じましたが、年々薄れているように感じます。一方でやはり直販していることで、ユーザと直接対峙して、名前の声をフィードバックできるだけでなく、営業マンが優秀になっているようにも感じます。これが現実なのでしょう。

KURAKIも買収して、これで主な切削分野はほぼほぼラインナップしたのでしょうか?狭い工作機械を席巻しているNIDECグループと覇者、DMG森精機の戦いも見逃せないですね(永守さんと森雅彦さん!!) 目が離せないですね。

そして、工作機械業界に働いている人達からすると、このまま国内マーケットにいることはどうなんでしょう。。。業界全体では成長産業かもしれませんが、国内だけ見ると、、、斜陽産業?

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