2024/07/21 補助金
2024年度は、ここ数年に比べると設備投資に使える補助金は少なめでした。
■ものづくり補助金は2回の公募だけ、しかもそのうち1回はオーダーメイド枠という特殊な専用設位だけが対象だったので、実質1回と言ってもよいでしょう。しかも、これまで50%近くあった採択率も、最新の第18回公募では35%と、審査もかまり厳しくなっています。公募要件(事業計画書の厳格さ、賃上げ要件)なども考えると、気軽になんとなく申請できる補助金ではなくなっています。非ばらまきという意味ではちゃんとしている補助金です。
■事業再構築補助金も2024年は第12回公募の1回のみで、7月末が公募締め切りです。おそらく、これが最後の公募になるともっぱらの噂です。前回第11回公募の採択率は25%程度。こちらはその審査の甘さやばらまき感がニュースなどでも取り上げられるほど問題視されており、本当の意味で「事業再構築」しようとしているユーザでないと採択は厳しいですね
■省エネ補助金は、第二回公募の結果はまだですが、例年とあまり変わらぬ採択率、規模でした。補助率は1/3なので他の補助金と比べると低いのですが、省エネに特価した基準で審査されるためシンプルだし、賃上げ要件などもないので、他と比べてとても使いやすい補助金です。ただし、当たり前ですが、省エネ性の高い機械しか対象になりません
■そのほか、東京都などの自治体が独自でおこなっている補助事業はまだありますが、国の補助金としてはこれで終了でしょう。
日本国内の中小企業が工作機械を購入する場合、多くの会社が補助金を申請するのではないでしょうか?よっぽど急ぎで機械導入しなければいかない場合と除いて、来年以降に設備投資を予定している中業企業は今から補助金の準備をしましょう
■ものづくり補助金は来年度も公募される可能性が高いです。時期は分かりませんが、今年と同様であれば春ごろには公募開始されるでしょう。ただし、上記の通り、公募要件は厳格化されており、何か新しい分野に、新しい技術をもってトライするような計画が必要です。また、賃上げ要件もマストです。コンサルタントや税理士さんと今から作戦を練っておく必要があります
■省エネ補助金も高い確率で来年以降も公募があると思います。非常に使いやすい補助金なので予算を増額してくれると嬉しいのですが。ただ、その申請条件には少し不安があります。まず、あの指定計算という省エネ計算方法は、実際の省エネ効果と乖離しており、そろそろ見直してほしいです。また、24年から新たに複数年度枠を設けてくれたのはありがたいのですが、できればもう少し予算枠を増やしてほしいです。
■中業企業省力化投資補助金、いわゆるカタログ型補助金です。今のところ、お掃除ロボットやらスチームオーブンやら、工作機械とはかけ離れた設備ばかりが対象なのですが、この補助事業は2年以上継続する予定で、おそらく25年度以降は、工作機械も一部対象になっていくと思います。補助率は1/2, 最大1000万円なので大型投資には向きませんが、使い勝手がよさそうなので注目しておきましょう
最近、経済産業所は、地銀から省エネ支援を受けた場合は補助金の加点にする制度を始めると発表しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA166KS0W4A710C2000000/
また、すでに多くの地方自治体による省エネ系補助金において、指定する機関による「省エネ診断」を受ける事が条件になっています。以前のものづくり補助金では、脱炭素経営の国際的認証であるSBTが審査加点になっていました。「省エネ」「脱炭素」はこれからの中業企業の生き残りにおいて避けては通れないものですが、補助金の加点にもなります。皆さん、毛嫌いせずに初めてみたら、コスト削減にもなるしメリットだらけですよ!